長田(北海道札幌市)さんのメール
2018.08.28
古波蔵さん、ネイティブより日本人英語講師のほうがいいというのはあらゆるレベルにおいてそうなのでしょうか?
お答えします。相当上のレベルの人(英検1級の1次試験も二次試験も余裕で受かるレベル)に教えることの出来る日本人講師はいません。ネイティブはと言うと、このレベルの人はネイティブの言うことをすべて理解できます。じゃあ、ネイティブがいいのですね?と聞かれれば「いいえ」と答えます。なぜか。このレベルの人はそもそも習いに行かないのです(私もそうですが)。
このレベルの人の疑問点というのは相当に高度なもので、スピーキングの最初の項で説明したように、ネイティブにとっても確信が持てないようなものばかりなのです。このような確信の持てない状況ではネイティブと言えどもとても教えることは出来ないでしょう。そしてこのレベルの人はネイティブよりも辞書やグーグルのほうが遥かに当てになることを知っています。
ですから、他の人みたいに高いお金を払ってネイティブから不確かな答えを求めようとはせず、自分で調べて問題の解決を図ります。私もこれまですべてこうして、解決しましたし、プロの世界ではこれが当たり前なのです。例えば翻訳。わからないところをいちいちネイティブにお伺いを立てたのでは、時間的にも金銭的にも大きなロスですし、その答えももちろん辞書に比べるとまったく当てにならないものです。
我々が国語辞典を引くように英語ネイティブもわからないのは英英辞典で調べるのですから、ネイティブに聞いて調べさせるのでは二度手間でしょう。お金もふんだくられますし。習い事はあるレベルを超えれば、自分でやるしかないのです。いつまでも「習う」という意識なら絶対に上達しません。理科系がいい例ですよね。大学に行ったら、自分で研究テーマを見つけて考えて答えを出すのです。人を当てにしていては進歩はありません。