続き
2018.05.26
すでに申しましたようにただでさえ、仕事が無かったところへこうですから、余計苦しくなるのは火を見るより明らかです。政府はガイドの数を増やせば観光客が増えると思っているようですが、そういうことは起こらないでしょう。日本からは年間のべ1600万もの人々が出国するのに対して入国はその半分程度です。
その原因は円高が大きいと思います。円の購買力が高いのでこちらから出て行くのはたやすいが向こうから来るのは大変だということです。そもそも日本は金持ちなので、海外旅行に行く人が多いのは当然で、その人数のほうがその逆の人数より多いのは至極当然のことなのです。
試験についてはこのくらいにして、実際のガイドの仕事について少しふれますと、まず年齢の壁が大きいそうです。すなわち若くないと仕事をとるのが相当不利なのだそうです。これは国内のガイド、例えば就学旅行やはとバスなどのガイドを見てもわかるようにガイドは圧倒的に若い女性が多いです。
あちこち歩き回って案内するのですからまずは体力です。対象が外国人になったところでこれに変わりがないことは常識でもわかるでしょう。もうひとつはよほどサ-ビス精神がなくては勤まらないということです。「通訳ガイド」と通訳の文字にウエイトがあるように感じられますが、基本は添乗員です。
案内して回る時に英語を使うということでしかありません。当然サービス業ですから、お客さん第一です。旅館などでお客さんが酒を飲んで騒いでも怒鳴りつけるわけにはいきません。忍耐、辛抱がいります。また地方への出張も多いそうなのです。もちろん、楽しいこともあるのでしょう。
しかし、まず仕事に就くのが相当困難であること、それほど楽な仕事ではないことを踏まえてほしいと思います。書店などで売られている資格関連の本では本当のことはわかりません。実際にこれをやっている人から話を聞くのが一番でしょう。
最後にもう一言行け加えますと、英語に関する唯一の国家資格がこれなので就職の時などに有利になるということはあるようです。これが最大のメリットと言ってよく、「通訳ガイドで食べていく」という考えは、特にフリーランスの場合、現実的ではないと思います。