翻訳は大きく分けて2種類
2018.05.15
翻訳には大きく分けて小説などの出版翻訳とコンピューターのマニュアルなどの実務翻訳の二通りがありますが、翻訳で食べていくなら実務翻訳でなければ相当困難がつきまとうと言えます。出版翻訳や映像翻訳で食べていくのは大変なのです。某大手予備校講師時代に東大の医学部出身で博士号を持っていた人がいました(なぜ予備校講師をしていたか不思議でしたが)。隣の席で仲がよかったのでいろいろ面白い話を聞きましたがその中のひとつ。弟さんが「ウォーリーを探せ」の翻訳を手がけたそうです。これは当時世界的で爆発的に売れたイギリス人作家の買いた絵本で日本でもかなり売れたそうですがこの翻訳を手がけた結果、その印税として莫大な収入が入ってきたそうです。一生暮らせるくらいの。出版翻訳の翻訳料は売れた分だけ入ってくる印税方式と売り上げに関係なく一定額の翻訳料が入る買取方式の二通りあり、前者の場合はこのようなことも起こりうるわけです。「よっしゃ、僕も!」と思わないで下さい。これは極めてまれなケースで宝くじに当たる以上に確率が低いのではないでしょうか。多くの場合は苦労して数ヶ月かかって?万円というような状況です。
出版不況と言われる昨今、翻訳ものも例外ではないでしょうから非常に厳しいはずです。副業として趣味と実益を兼ねてというならばともかく、本業としてはお勧めできません。また社内翻訳についても供給過剰で単価が下がって厳しいという話を聞いています。映像翻訳については当会会員のTさんがある大手英語学校の翻訳講座に数年通ったのちに在宅でこれを開始して楽しんでいるそうですが、時間当たりの収入はかなり厳しいそうです。
実務翻訳はと言うとこれは結構稼げるようです。仲間で化学系の翻訳を在宅でやっている佐藤さんや、やはり在宅で特許翻訳をやっている高橋さんなどがいます。高橋さんはもともと都心部にある特許系翻訳事務所で社員としてコーディネーターをしていましたが、社員としての身分を保ったまま在宅で自らが翻訳することになったそうです。朝5時におきて翻訳を始めるそうですが、自宅にいるほうが体調がよく奥さんも安心する、収入も上がったと言っていました。翻訳で成功している数少ない例でしょう。