続き 大学受験英検英語教室
2018.05.14
私自身は読解をこのように市販の参考書を使って、一人で勉強しました(予備校講師をやめてからは英字新聞など)。わからない箇所があれば聞ける人がいればそれに越したことはありません。考えることも大事ですが、わからないところをいつまで考えても時間の無駄ですので、諦めるか、わかる人に聞けばいいでしょう。もうひとつ。今度は日本語です。日本語に訳すのですから当然日本語できちんとした作文ができなくては話になりません。しかし、これが意外とできないことが多いのです。原因は二つ。ひとつは日本語の文章をあまり読んでなかったこと。もうひとつは文章をあまり書いたことがなかったことです。
ですから、翻訳をするのなら英語も当然ですがそれ以上に日本語の文章を読んできちんとした日本語が書けることが絶対条件なのです。海外小説の翻訳者が自身も小説家である場合が結構あります。これが意味するところは、自分でも書けるレベルでないといい翻訳はできない、文章を書く力がいかに大切かということです。
しかしこれまでそういう訓練をやってこなかった人はそうすればいいでしょうか。諦めるのがひとつの選択。もうひとつは今からでも文章を読んでそして自分でも書いてみる、可能なら文章をきちんと書ける人の指導を受けることです。そしてきちんとした日本語の文章が書けるようになれば、いい翻訳も可能なのです。
翻訳学校でやるだけではとてもではありませんが、量が足りません。ですから、翻訳学校に頼るのではなく、普段から自己学習することが大前提です。それができないのなら翻訳は諦めたほうがいいいでしょう。特に大手翻訳学校ではいくつかの段階に分かれていますがなかなか進級できないようです。5年もいて、まだ真ん中のクラスの人もいるそうで、これはもう絶対的に自分自身の努力が欠けていると言えます。翻訳学校の授業料はかなり高めです。よほどお金が余っているならいいかもしれませんが、そうでない普通の人ならこれは大変な経済負担になってきます。現に知人から聞いた話ですがある大手翻訳、通訳学校へ数年通って、かなりの大金を使ったがそれで食べていけずに、その学校へ頼み込んで講師の仕事をさせてもらっている人がいるそうです。その学校はあちこちに校舎があり、その方が通っていたのは東京ではない、ある都市(人口200万以上)なのですが、そこには外資系の仕事などは一切無く、英語を使う仕事がほとんどないそうです。
その学校名の実名を出すと大変なことになるでしょうから出しませんが、くれぐれも「通訳、翻訳」で食べるのは容易ではない、特に大都会以外は、ということを覚えておいて下さい。さて、もう一度繰り返しますが、自分でしっかり英語の勉強をして、自分の母国語である日本語も当然のようにしっかり勉強するのであれば、翻訳はできます。翻訳学校へ通う必要はゼロです。学校へ通って何か修了証書をもらったからといって、それで仕事がもらえるわけではありません。 翻訳会社の採用担当者が知人のなかにいますが、すべてトライアルで判断するそうです。トライアルできちんとした翻訳をすればいいわけで、翻訳学校はまったく無関係なのです。