英英辞典が役立つ場合
2018.05.09
勉強仲間で大手特許翻訳事務所で翻訳をしている高橋さんから以下のようなメールをもらいました。この高橋さんにはこれ以外にも翻訳業界に関する、表向きは言えないような裏話も聞かせてもらいましたので、翻訳の項目のところで翻訳希望者はお読み下さい。まずは英英辞典に関する意見から。
古波蔵さんへ
英英辞典は、英訳するときに限って役立っていますよ。たとえば、2つの簡単な単語でどっちを使おうか迷って、英和辞典だとその違いが“見えてこない”場合に、英英辞典を引くと、コアな意味と語法の違いがクリアに見えます。「連続的な」の「continuous」と「continual」の違いは英和に載っています。しかし、「連続した」の「consecutive」との違いは載っていません。ここのところが曖昧な英訳文は、日本人クライアントには気づかれなくても、英語ネイティブのクライアントからは、不自然または誤訳だとクレームが来ます。
なるほど、通常とは違って100パ-セントを要求される(でないと法律上争いになりかねない)特許系英訳においては英英辞典が不可欠なことがよくわかりました。ありがとうございました。私自身が英英辞典を使うときは会話表現を調べるときが多いです。和英辞典には会話表現があまり載っていないからです。そういう場合にロングマン現代英英辞典を使うとたいてい、解決します。米語も英語も収録されていて、その区別を示していて、CDで米語式、英語式両方の発音が聞けます。新聞などから取った実際の用例も豊富ですし、この辞典は本当に値打ちがあると思います。上級者には必須です。