続き
2018.05.05
もう一度、考えて下さい。我々日本人英語講師(教師)の任務が何であるかを。それは「英語が出来ること」ではなく「英語を教えること」なのです。極端なことを言えば、「英語が出来ること」は零点でも「英語を教えること」が70点、80点、満点ならそれでいいわけです(現実には零点ではまずいですが)。
そこが我々日本人講師の土俵であり、そこで勝負をするのです。どうでしょう。この「英語を教える」という土俵上でネイティブを相手に勝負するとしたら。読解、文法を教えるには日本語が必要なのでネイティブに負けませんね。作文も巻末資料の添削例(あるいは作文の章)を見てわかるように、日本人英語講師のほうが上手に教えられます。最後にスピーキングですが、これに関してはこれまでの英語観がまったく誤ったものであったために、ネイティブのほうがいい、と思われてきました。しかし、本書でここまでさんざん例証してきたように、スピーキングについても日本語による説明が絶対に必要なので、世間の考えとは逆に実は日本人英語講師から習うほうが上達するのです。
英語そのものではネイティブにはかないません。しかし、英語を教えることにおいては、逆にネイティブは我々にかなわないのです。そして、我々英語講師の仕事は英語を教えることなのですから、ネイティブの土俵に乗って、「あー、やっぱりネイティブはすごい!」などと要らない感心をするのではなく、あくまでも自分の土俵の上で「ネイティブでも何でもかかってこい!」と堂々としていなくてはならないのです。
生徒を正しい方向へ導くべき先生が「誤った考えのもとに自信が持てない」のであれば、生徒はさまようだけでしょうし、これほど不幸なことはないと思うのです。この本を一番読んでいただきたい学校の英語の先生にここでエールを送らせていただきます。
英語の先生、もっと自信を持って!