学校でカジュアルスピーキングを教えないのは
2018.04.22
それはそうすると、低いレベルの英語しか身に付かないからです。すでに見たように、カジュアルスピーキング(いわゆる英会話)は基本的にフォーマルスピーキングをくずしただけに過ぎませんし、フォーマルスピーキングよりずっと簡単な英語だからです。大は小を兼ねるのことわざ通り「きちんとした英語、高度な英語」(=フォーマルスピーキング)さえ習得すれば、それよりも易しいカジュアルスピーキングの習得は楽なのです。しかし、逆にもし学校英語が小(=カジュアルスピーキング)の習得を目標にするのであれば、大(=フォーマルスピーキング)は絶対に習得できませんし、きちんと読み書きできる英語力も絶対に身につきません。
なぜならカジュアルスピーキングに要求される程度の英語力ではあるレベル以上の英語を読んだり、書いたり、話したりできないからです。繰り返しますが、フォーマルスピーキングに要求される高度な英語力を身につけておけば、それよりも易しいカジュアルスピーキングの習得は楽勝ということなのです。学校英語ではきちんとした「英語の型」を教えて、あらゆる場面で応用できる真の英語力の養成を目指しています。そのために高度な英文を読んだり、書いたりさせますし、またそれに必要な文法も教えているのです。ここで、「英語の読み書きでなぜ英語を話せるようになるのか?」という疑問がわくかもしれません。これについては次項で説明します。
読み書きの習得でなぜ話せるようになるのか?
それはフォーマルスピーキングとは読み書きを口頭で行なうに過ぎないからです。BBCはご存知のようにイギリスのNHKともいうべき放送機関で、その巨大なサイトで音声つきでニュースを24時間放送しています。BBCのニュースでアナウンサーが話す英語は当然フォーマルスピーキングで、スクリプトも公開していますので一度見てもらいたいと思います驚くかもしれません。彼らの話す(きちんとした)英語が学校教科書などに出てくる「書かれた英語」とまったく同質のものであることに。
これは別にBBCに限ったことではなく、きちんとした放送局のニュースで話される英語は例外なくこのような英語なのです。ニュース以外では国連などの国際機関で話される英語、英米などの政府関係者の話す英語も、一流の国際企業で話される英語もすべてこのような書き言葉と同質、すなわちフォーマルな英語なのです。英語の書きことばとフォーマルな話し英語が同質のものなのですから、英語の書き言葉を一生懸命勉強すればフォーマルな話し英語が身につくのは当然ですし、それをくずしたに過ぎないカジュアルな英語スピーキングが身につくのも当然のことです。
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