ネイティブは英作文の指導が出来ない
2018.04.18
さて、いよいよ本題というか、作文に関して私が最も強く主張したいことに移ります。それは「ネイティブは英作文の指導が出来ない」というほとんどの人が信じないような真実です。説明しましょう。作文は論理が重要でそれは全言語に共通するものだと言いました。そこでこの論理を身につけるために本を読んだり書いたりする必要があるとも言いました。こうすれば誰の教えを受けなくても作文は(才能による面もありますが)必ず上達します。ところが人間は読むのはまだしも書くということはなかなかやりたがらないものです(私も高校くらいまでは作文が大嫌いで今こうしているのが不思議です)。
そこで作文を鍛えようとする人は、そのもっとも効果的な方法である添削を受けることになります。英文ならばネイティブに頼むことが多いようです。ところがネイティブはノンネイティブが書いた英作文をきちんと添削することはできないのです。このことを知っている日本人はほとんどいないのではないかと思います。よほどの上級者(英文ライターレベル)ならネイティブのほうがいいのですが、こういう人は全人口の0.0001パーセント?位で、圧倒的多数の日本人英語学習者にとっては英語と国語(論理)をきちんと勉強した日本人のほうがいいのです。これ以降詳しく説明しましょう。
文章の誤りは3種類
文章(何語で書いてあっても)の誤りには次の3種類が存在します。
① 論理の誤り ② 語彙の誤り ③ 文法の誤り
①論理の誤り
これについてはすでにくどいほど述べたとおりです。添削する場合、先ほどのようにどう論理がおかしいのか説明しなくてはなりません。そのためには論理がわかる必要があります。ネイティブだからといって論理がわかるわけではないのはもう証明済みですね。
日本語で書かれていても論理がおかしいことに気づかない日本語のネイティブ(日本人)が決して少なくないように、英語で書かれた文章の論理がおかしいことに気づかない英語のネイティブも決して少なくないのです。何度も言いますがネイティブだからどこがどうおかしいかわかるとは限らない(むしろわからないほうが多い)のです。
もちろん、きちんと勉強しているネイティブはわかるし、指摘できるでしょう。英語でなら。ネイティブをあたかも現人神であるかのように思う日本人が多いように思いますが、ネイティブとは裏を返せばモノリンガルでしかありません。英語しかできないのです。中には例えばフランス語が出来る人もいるでしょうが、英語圏の人が外国語を学ぶのは極めてまれなケースでしかなく、仮にフランス語か何か出来たとしても日本人にはまったくありがたくありません。日本語でなければ。
先ほどの論理の誤りの指摘ですが、日本語でもちょっと難しくないでしょうか?一瞬「え?」となるような。上に上げたのは比較的やさしめのもので、論理の誤りがもっと複雑でわかりにくいものもあります。こういうものについてなぜおかしいかを説明するにはどうしても、わかりにくい説明になってしまいます。
例えて言えば、ある高等数学の証明式の間違いの説明は絶対にやさしくは無いはずです。論理もそうで、それを難しく構築した場合、そしてそれが間違っている場合、修正するのが大変なのです。ちょうど構造の複雑な建造物の設計にミスが見つかってそれを修正するのが大変なように。戻りましょう。
このように論理の説明というのはわかりにくい場合が多いので(もちろん極力わかるように私も努力しますが)その説明は日本語であるべきなのです。日本語でも難しいものなら英語で説明されては余計わからないことにしかなりません。 もし英語で説明されてもわかるのならそれは相当な英語力で、そもそも添削を受ける必要はないでしょう(このことはスピーキングにも言える)。あとで少し込み入った論理の誤りの説明サンプルを掲載しましょう。
英検大学受験英語スピーキング教室