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ブログ・お知らせ

無から有を生じる

2018.04.13

英語の話は今日はお休みして、日本の将来について少々考察してみます。 

  このタイトルは一見矛盾しているように思えるでしょう。しかし、こういうことはこれまでの人類の歴史、というか宇宙の歴史において繰り返されてきたことなのです。般若信教の有名な言葉に色即是空というのがあります。色とは有、空とは無を表します。有は無であり、無は有である。つまり、世の中(宇宙)に存在するものは存在しないものと同じ、表裏一体である、という意味です。我々は普通、自分や世の中(宇宙)は存在するものとして、認識しています。しかし、自分がこの世からなくなってしまった瞬間、自分も世の中もなくなってしまいます。そうでしょう?自分や自分以外のものを認識する主体である自分が存在せずに、もはや認識できないのですから、自分やそれらは存在しないのと同じではありませんか。
  逆に、「自分」が生まれてきたら、どうなるのでしょうか?物心がつく、すなわち自分や自分以外のものを認識できる、頃には自分や自分以外のものが存在することになります。ということは無から有が生じるということになります。こうやって考えると、存在と非存在は別物ではなく、表裏一体、同一と言えるものなのです。歴史に残る偉大な科学者の多くが、その大発見の瞬間を「上から降りてきた」と述懐しています。英語でいうところのインスピレーション(啓示、ひらめき)です。それまでにないまったくない理論、考えなのですから、これも無から有の例と言えるでしょう。実験を積み重ねてきて、その結果ある理論に至るというより、むしろ突然ある理論が閃いて、それを確かめるために実験を繰り返して、検証するーこういうケースのほうが普通ということです。
  戦後のある時期において、家電などで世界の市場を席巻した日本ですが、いまや中進国の追い上げで世界的に激烈な競争にさらされています。この競争で置いてけぼりを食わないためには「無から有を生じる」が必要だと考えます。すなわち、家電などのすでに「有」の製品ではなく、これまで「無」かった製品を生み出すということです。たとえ家電であっても、ありきたりではない独創的な製品を生み出さなくては、価格競争力の高い中進国製品には勝てません。そのために必要なのは「逆転の発想」だろうと思います。この言葉は国産ロケットの父と謳われる天才故糸川秀夫博士が好んで使った言葉です。「現実を直視する。その中で最適なものを選ぶ。前例を退け、前例のないことに挑む。マイナス面を最小化し、プラス面を最大化する」糸川博士によれば、「逆境こそが人間を飛躍させる。」のです。
  戦後、日本は占領軍によって、航空機の製造、開発研究を禁止されました。米国は日本が二度と米国に立ち向かえないようにしようと考えたのです。研究者が心血を注いで開発製造した戦闘機がすべて焼き尽くされてしまいました。研究者は職を失い、それまでやったことのない仕事で食いつなぐ以外ありませんでした。やがて日本が復興すると、技術者のある者は自動車産業へ、ある者は新幹線開発へ、またある者はロケット開発へと進んで行きました。日本の新幹線がなぜ事故を起こさない優れものなのか、トヨタがなぜ世界一のメーカーへ上り詰めたのか、答えは簡単です。戦前の戦闘機を開発していた優秀な技術者たちがこれらの分野に流れ込んできたからです。新幹線開発に携わった研究者の中心人物である三木忠直は「新幹線は絶対に事故を起こさない。そう作ってあるからだ」との言葉を残しています。
  糸川博士がロケット開発の道へ進んだのは、航空機禁止令が解けるまでの間に欧米の技術が進んで、今からでは追いつかないと判断したからです。ロケットならまだ歴史が浅いので、追いつくのは可能であると。十分な予算がつかない中で、技術者たちは工夫を重ねながら開発を続けました。ペンシルロケットがその最たる例です。文字通り鉛筆くらいの大きさしかない、しかし原理的にはまぎれもないロケットであるペンシルロケットは通常上へ発射するところを、横向きに発射するように設計されました。上向きだと、ロケットの回収の手間がかかるからです。ロケットのデータを取る分には鉛筆大であろうと、横向きだろうと問題ないのです。これも逆転の発想と言えるでしょう。
  私の個人的な話をすれば、英語学習という点において、恵まれてはいなかったのではないかと思います。今でもそうですが、特に当時は英語を極めるなら英米へ留学という風潮がありましたが、お金もまたその気もない私はほとんど独学で英語を学んで、今こうして指導しています。「文法は英語の上達を却って妨げる。日本に必要なの英語は国際英語である。英作文の書き方は存在しない。英語上達においてもっとも重要なのは国語力である。英語を話す練習は一人でもできる…等等」多くの迷言?を書き記してきた私ですが、図らずもこれも一種の「逆転の発想」であろうと思うのです。また別の機会に記しますが、この世の多くは仮説でしかありません。今現在当然とされていることが実はその逆が正しかった、などということが実は少なくありません。前提条件というフィルターをはずせば、それまで見えなかったことが見えてくることがあります。前提条件をはずして、発想の転換を図り、無から有を生じせしめる、AI(人口知能)などには到底真似のできない直感力、思考力、感性、探究心を持った若い人が一人でも多く、我が島沖縄から、我が国日本から出てくることを切に願っています。あと20年そこらでいなくなるであろう私の心からの想い、望みです。

 

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