第4章 日本語が読めないと英語も読めない 大学受験英検英語教室
2018.04.02
読めない原因は4つ
英文が読めないという場合の原因は主に以下の4つです。
①単語がわからない
②文の構造がわからない
③内容がわからない
④感覚的な問題
①については単語を覚えることです(当たり前ですが)。その目標とするレベル、専門が何かによってどういう単語をどのくらい覚えるかは異なるので、それに応じて覚えればいいのです。
②については中学で習うレベルの英文ではこういうことはないでしょう。高校レベルから文の構造が複雑になってきて、それでわからないという状況が生じてきます。構造がわからないと、意味がきちんととれません。そしてそれを放っておいてもわかるようにはならないので、わかる人に聞くか参考書の解説や訳を見ます。私自身についてはすべてこの解説もしくは訳で解決しました。
①②についてはそれほどの深みはありません。単語にしても1万も覚えればまずいいのです。わからなければ調べればいいわけですから。構造にしても覚えるべきものはそれほど多くはありません。一番厄介なのが③です。
③それは国語力がないからなのです。例えば大学入試に出るような現代文、あれを読んできちんと意味がわかるでしょうか?あまりわからないはずです。相当難しいことが書いてあるので。そしてその英語訳は理解できるでしょうか。余計出来ないはずです。母語である日本語の文章ですら読めないのなら英語で読めるはずがありません。当たり前のことですが、外国語の能力が母語の能力を上回ることは絶対にありえないからです。
言い換えると、外国語の能力は母語能力の制限を受けるのです。これはもちろん、聞く、話す、読む、書くの4技能すべてに当てはまります。母語である日本語で文章を理解するのが苦手なら外国語ではなおさらそうだし、母語ですら作文が苦手なら外国語ではもっと苦手でしょう。話すこともそうです。日本語では話があっちこっち飛んでまとまりがないのに外国語の英語でなら急に首尾一貫した論理的な話になるわけがありません。ですから逆説的なようですが、英語の読解力をつけたいのなら、国語の読解力をつけなくてはなりません。予備校などで英文読解を生徒に指導していたときにこのことはつくづく感じさせられました。