語法は文法に優先する 大学受験英検英語教室
2018.03.30
ある表現は文法的にOKでも語法的にまずいということがありますが、この場合は語法が優先されます。すなわち、その表現は間違いということです。まずは、語法の説明からしましょう。語法とは個別の単語の使い方です。例えば他動詞について、考えてみましょう。他動詞は目的語をとります。目的語になれるのは名詞、動名詞、不定詞の3種類あります。
例
I like baseball.(名詞)
I like playing baseball.(動名詞)
I like to play baseball.(不定詞)
これらはすべてOKです。他動詞のあとに目的語が来ています。では、次はどうでしょうか。
I prefer playing baseball.
他動詞preferのあとに動名詞がきている。他動詞の後にはその目的語が必要であり、動名詞は目的語になれるのですから、文法的には正しい、と言えます。ところが、いくら文法的には正しくても、これは間違いです。すなわち、こういう言い方は実際にはしない(間違って使う場合を除いてですが^^)のです。なぜでしょうか?これを文法的に説明するのは不可能です。文法的には正しいのですから。 なぜいけないか?その理由は… ありません!理由はないが、「とにかく、こういう言い方はしない」それだけです。他にありません。
これは「花」を「花」と呼ぶのに理由がないのに似ています。もし誰かに「なぜ花と呼ぶのですか?」と聞かれても答えようがありませんよね。とにかくみんなが「花」と呼ぶからあなたも私もそう呼ぶわけでしょう?これを一人だけ別の呼び方をしても、話が通じないのでみんなと同じように「花」と呼ぶわけです。
もし昔の人が何か別の名前で呼んだとすれば、今でもそれをその名前(例えば はみ)を使って読んでいたことでしょう。このように言葉というものは非常に偶然的な要素が強いものなのです。理由はない!とにかくみんながそういう言い方をするからそうする、ということなのです。
話を戻しましょう。なぜ I prefer playing baseball. がだめかということでしたよね。理由はありません。英語ではそう言わないのです。だからそう言ってはいけない、それだけです。では、何と言うか?正しくは
I prefer to play baseball. です。
これを包括的に説明すると「prefer ~ing とは言わず、prefer to ~ と言う」ということなのです。prefer という単語の使い方にはこういう決まりがあるのですね。こういう決まりを語法というのです。もちろん、prefer ~ing と言っても意味は通じます。英語をやる目的が「海外旅行で…」であれば、こういう細かい話は一切無視してください。しかし、英語の先生になりたいとか、国際ビジネスで活躍したいとか、国連で演説したいとかいうのであれば、こういうことも勉強する必要があります。他にいくつか例を出しましょう。
can know よさそうですね。助動詞のあと原形動詞なので、普通なら文句ないはずですが、knowはcanと共に用いてはいけないという語法があるのです。notice もそうです。can notice とは言いません。それが語法です。このように、語法はただひたすら覚えるしかありません。高度な英語を目指すなら単語を覚えるときに語法にも注意したいものです。