よく両方必要と言いますが、厳密にはこれは正しくはありません。SLだけでもいい場合があります。しかしNSLだけでは不十分です。なぜでしょうか?質をたくさんこなせば量にはなっても量をこなして質になることはないからです。極端な話ですがSLを一日に10時間やったとしましょう。それも例えば5年間。それでもNSLが必要でしょうか?ノーです。これだけやれば、それが量をこなすトレーニングにもなっているからです。
しかし、逆にNSLを同じようにやってもSLをやったことにはなりません。知らない単語がいつの間にか意味がわかるようになる、とはならないのです。分からないのをほっとけばいつまでたっても分かるようにはなりません。このように考えると両方必要というのは必ずしも正しくはありません。しかし、もちろん一日10時間リスニングをやる人、できる環境は普通はないでしょう。
時間は限られているはずです。例えば、30分とか1時間とか。すると必然的に片方だけではだめで両方実施する必要が出てくるのです。一日の練習時間のうち何割かを片方に残りをもう片方に。あるいは曜日によって。NSLだけではデータが蓄積できないし、SLだけでは量をこなせない。
ですから、通常は両方をこなすことが必要になってくるというわけです。各々の割合をどうするかはその人のレベルによって変わってきます。一般的には初心者はスクリプトリスニングがはるかに大事です。スクリプトがなければ意味がまったく分からないこともありうるわけでこれでは学習効果はほとんどありません。レベルが上がるほどスクリプトの必要性が低くなってきます。