①を目的にしたリスニング訓練を速聴②を目的にしたそれを精聴と一般に呼んでいますがこの用語では誤解を招きます。①を目的にしたリスニング訓練ではスクリプトを使うことはありません。慣れるのが目的なのでとにかくたくさん、しかしもちろん集中して意味を理解しようとして聞くことになります。スクリプトで確認したのでは量をこなせませんのでスクリプトは使用しません。
②を目的にしたリスニング訓練ではスクリプトを利用してきちんと確認してデータを蓄積します。もちろん集中しなくてはなりません。
どうでしょうか。こうしてみると①を実施する時のほうが②よりも早いわけではないことがわかります。別に音声の速度を変えるわけではありません。早い遅いではなく、スクリプトを使うか使わないか、こなす量が多いか少ないかの違いでしかありません。また②のほうが①よりも集中して聞くわけでもありません。①②に限らず集中することが一番大事なことですから。
結論 速聴、精聴という言い方は間違いでスクリプトで確認するかしないかの違いでしかない。確認すれば主にデータの蓄積になり、確認しなければ量をこなせるので主に慣れるための訓練となる。私は「速聴」と「精聴」ではなく、スクリプトリスニング(SL)、ノンスクリプトリスニング(NSL)という呼び方をしています。