日本を知ることの大切さ 大学受験英検英語教室
2018.02.21
外国人と英語を話す場所、普通に言えば英会話学校などで外国人と話をする場合、話題が外国のことであることが非常に多いみたいですが、これは主に二つ理由があると思います。ひとつはそれが共通の話題であるということ。英語好きな人で外国に行ったことがない人は相当珍しいようで、私がそう言うと日本人も含めてみな驚きます。
大体理由を聞かれますが「予算の問題と忙しいから」といつも答えています。このうち左のほうは本当です(笑)。そういうわけでこの海外旅行、「3年前にイタリアのどこそこに行った」「アメリカのサンフランシスコの何とかブリッジは」のような話題は私がもっとも苦手とするトピックで、これが出るとその間はずっと聞き役です。
何しろそういう経験がないのですから、話をでっち上げでもしない限り、話すネタがありません。ところが困ったことにこの話題は必ずといっていいくらい、真っ先に出てきます。すでに言いましたように、海外旅行好きな人が多く、また日本にまでわざわざ来るような外国人も旅行好きが多いからで言うなれば双方の思惑(?)が一致するからでしょう。どんな話でもまずは話題というものがあるわけでそれがお互い共通なら話ははずみます。
そして、もうひとつの理由(これが肝心)が、そこにいる英語好きな人たちは日本のことはあまり知らないということなのです。これは実は多くの日本人に言えることで、日本人は日本をあまり知らないのです。例えばそろばんがもともと中国から来て改良され今のような形になり、世界中で使われている事やだるまに足がないのはそのモデルとなった達磨大使がインドから中国へ渡り座禅を組み続けたため足が動かなくなったからである事や、じゃんけんを発明したのは日本人で今や世界中で普及していることを知っている人は少ないはずです。
こういうことは知らなくてもそう問題はないでしょうが、もう少し重要なこと、例えば格差問題の背景、犬猫の数のほうが人の子供より多いという状況、教師の不祥事が増加している原因といったことを知らないのでは、社会人として恥ずかしくない会話をするのは困難でしょう。
もちろん、こういう硬い話ばかりでもなんでしょうが、やわらかい話ばかりでも物足りないと思うのです。まだ10代ならいいですが、30代以上であればやはりそれにふさわしい内容の話ができるように、普段から努めるべきだと思います。
いったい、今の日本がこうなのは何が原因なのかどうすればいいのか、問題意識を持ち考えるならばそれは自分のためにもなりますし、社会全体にとっても有意義なことだと思います。ここで多くは語れませんが、「考えない」人間が増えてきたことがこのような状況を招いていると私は強く思っています。
外国から日本に来るということは多くの場合、日本が好きなはずです。せっかくの機会ですから、そういう方と交流の場があるのなら日本のことについてもっと知ってもらい、日本をもっと理解してほしいと思います。国際共通語としての英語の機能の一つは日本を世界に紹介できるということなのです。
決して、外国のことについて話すだけではないはずです。英語の主な役割は外国の話をすることであるとばかり思う人が多いのは残念です。もっと日本を学び、世界に発信しましょう!