「すぐ使える会話」では限界がある 大学受験英検英語教室
2018.02.18
書店の英会話に関する本の中には「今すぐ使える会話表現」のようなタイトルの本がありますがこういうのは一部の例外を除いて、やめたほうがいいです。なぜかと言えば覚え切れないからです。こういう本には例えば
Do you have anything to do this evening?(今日の夜なんか予定ある?)
のような英語のセンテンスとその意味が羅列されていて、これを覚えればすぐに使えるとされています。確かにそれはそうかもしれません。でもこの方法では何百あるいは何千というセンテンスの暗記が必要になってくるわけで、そんなに覚えることが出来るのでしょうか?
私自身で考えてみると、出来ないと思います。こんなに覚えられるわけがありません。単語を覚えるだけでも結構大変なのはみなさんもご存知のはずです。これがセンテンスまるごととなるとまず不可能だと思うのです。また覚えたにしても、それだけで自分が言いたいことをすべて表現できるわけではないでしょう。
海外旅行か何かで現地の人と話す必要がある時に備えて、こういうものをポケットに偲ばせるのはいい考えだと思います。例えば私ならフランス語が出来ないのでもしフランスに行くのならこういうのを持っていくはずです。まさかほんの短期間で単語と文法を勉強して間に合うわけはないので、こういうワンポイントしのぎの本は貴重でしょう。
しかし、再三言いますが、こういう本で英語をきちんと勉強するのは無理です。それだけの時間と記憶力を別のこと、つまり単語に向けたほうがいいのです。単語を並べれば通じるのですから。もちろん、中級上級者ならば文法にも取り組まなくてはなりません。
センテンスごと覚えるというのは記憶の負担が大きいので、絶対に必要なこと、すなわち単語を並べる方法が通用しない場合(It serves him right!などの
前項で挙げた会話表現)のみに限定して覚えて、それ以外は単語や熟語を覚えることをお奨めします。
実際英会話の95パーセントは単語を並べれば通じるのですから、これがもっとも効率のいい方法なのです。くれぐれも言いますが、センテンスごと丸暗記は一見即効性があるように思えても、中長期的にははなはだ学習効率が悪いので、先にあげた例外を除いて、絶対にこういうことはやってはいけません。