かっこいい発音より聞きやすい発音 大学受験英検英語教室
2018.02.12
今、カタカナ英語でもいい、発音は気にするなと言ったばかりですが、しかし聞きやすく発音する事は非常に重要です。これは日本語を考えてもわかります。例えば、学校の授業などで、内容そのものがわからないというのとは別に「先生の声が小さい」「声が聞きにくい」といった経験はないでしょうか?
私はあります。一番ひどかったのがある社会科の先生でした。小さな、不明確な声でぼそぼそしゃべる。おかげでその科目は不得意で単位まで落としてしまいました。
日本語のネイティブの日本人であってもこのように人によって聞きづらい、聞きやすいという差が出てきます。声量、声の明瞭さ、話す速度。ネイティブの声よりもむしろノンネイティブの声のほうが聞きやすいというのは十分ありうることです。
もし、仮にTVタレントのDSさん(アメリカ人)があの先生の代わりに教えていたのなら(この人の日本語はもちろん日本人のそれとは違いますがはっきり発音するので聞きやすい)私が単位を落とすことも、ついでに卒業延期になることもなかったかもしれません。
それはともかく、これを例によって「逆に考えて」みればネイティブの英語よりもノンネイティブの英語のほうが聞きやすいこともありうるのです。今から20年以上も前ですが、歌手の雪沙織さんがテレビ番組の中でオリビアニュートンジョンの「ジョリーン」を歌ったことがありました。雪さんは歌唱力に定評のある人で非常にきれいな歌に聞こえました。
もちろん、ネイティブの発音ではありません。しかし、もし発音の悪いネイティブがこの歌を歌うのとどちらが聞きやすいかと言えば、雪さんのほうでしょう。それはDSさんの日本語が発音の不明瞭な日本人の日本語よりも聞きやすいことを思えば容易に想像できるはずです。
本題に戻りますが、肝心なことは聞きやすいことです。かっこいい発音である必要はノンネイティブである我々にはまったく必要ありません。それは本質
的なことではないのです。ですから、発音がかっこいい、かっこよくない、で判断すべきではありません。そうでなく「聞きやすい英語」を話すように心がけるべきなのです。そのためには早口すぎず、遅すぎず(あまり遅いと聞いているほうはじれますから(笑))、明瞭に話すことを心がけるべきでしょう。
それができたならばかっこよく話す練習をしてもいいかもしれませんが。これは発音記号どおり、発音するというただこの一点ですのでそう困難なことではないと思います。