フィリピン人、オーストラリア人の嘆き 大学受験英検英語教室
2018.01.30
いつだったか、ジャパンタイムズの読書の欄で非常に共感できる投書がありました。フィリピン出身で東京在住の匿名の方です。その方が学生だったか社会人だったかは定かではありませんが、日本で英会話講師の求人に応募しても採用されないというのです。理由は出身国に対する差別と、英語になまりがあるという事です。
このなまりがあるということについて考えてみましょう。確かにフィリピンの人の英語はアメリカ人ともイギリス人ともオージーともニュージーとも異なっています。沖縄にはフィリピン人が結構いて、私も話したことがあるのでわかります。
しかし、発音を除けば彼らの英語はネイティブなのです。アメリカの曲を聴いて完全に理解できますし(スラングは別でしょうけど)、一切のよどみがなくなめらかに話します。
その投書の方は大学を出て、もちろん滑らかな英語を話すそうですが、日本では講師として採用されないというのです。これはひとえに英語学校の生徒がそういう講師を好まないということなのでしょう。これに関連してある英会話学校に勤めるオーストラリア出身の女性講師から聞いた話があります。
その方が言うにはオーストラリア風の英語では生徒がいやがるので、アメリカ人かイギリス人風に話すように強制されるそうなのです。オーストラリア人は当然ながらオーストラリア人としてのナショナリズムがあるわけで、まったく納得いかないのだが雇ってもらうためには仕方がないのでそうしていると話していました。
国際英語という観点からは本来、相手の英語が自分の好きな英語ではないなどと選り好みしていられない(リスニング編参照)はずなので、逆にリスニングを鍛えるチャンスのはずですが、そう考える日本人は少ないようです。先ほどのフィリピン人のケースにしても「純正でない」あるいは「なまりのある」英語に接していると移ってしまうのでないかと考える人が多いようです。
しかし、すでに説明したようにスピーキングは伝染しないのでそういうことはありえないのです。いやむしろ伝染したほうがいいと思われます。なぜならフィリピン人、オーストラリア人の英語は日本人のそれをはるかに凌駕するのですから。