ノンネイティブが英語を習得しようとする場合、英語を学習することが必要になってきます。これに対してネイティブは英語を自然に身に付けたのであって学習したわけではありません。したがって彼らは英語を自由に操ることはできても英語の学習法を知らないのです。それはちょうど日本人が日本語の学習法を知らないのと同じことです。
学習法を知らないのですから、それを教えることはできないでしょう。具体例を挙げれば、先ほどの例のようにあなたがフランスへ行って日本語を教えることになったとしましょう。あなたはフランス語ができません。このような状況で日本語を教えることができるでしょうか。出来ないはずです。少なくとも私は出来ません。
日本語は私にとって当たり前と思っていて考えた事もない言語です。自然に覚えたので、「その学習法は?」と聞かれても答えようがないのです。花を指して「はな、はな」などと簡単な単語を教えることはできても、相手がそれなりの日本語を話せるように指導することは出来ないでしょう。相手が自分で懸命に勉強するか、また別のところで習えば別でしょうけど。
これと同じように、英語を学習ではなく、自然に使いこなせるようになった英語のネイティブが(日本語を知らなければ)英語を教えるのは不可能なのです。英語の学習法を教えることが出来るのは英語を学習したものだけで、これはサッカーを練習した人しかサッカーを教えることは出来ないのと同じ理屈です。