ネイティブは英語を教える事が出来ない 大学受験英検英語教室
2017.12.26
ネイティブは英語を教える事が出来ない
多くの人はこう言われたならば信じないでしょう。「嘘を言うな。現実に英会話の学校でネイティブが英語を教えているじゃないか」と思うことでしょう。確かに彼らはそこにいます。そうでなければ、それを目当てに入会金、授業料をまとめて(のことが多い)払った人たちが暴動を起こす騒ぎになるでしょう。しかし、彼らはとりあえずそこにいて、教えているように見えるのでそうはならずに済んでいます。しかし、彼らは教えているのではないのです。話し相手になっているだけなのです。その説明の前にまず「逆から考えて」みましょう。例えばフランス語のできない(普通出来ない)あなたがフランスへ行って日本語を教えることになったとしましょう。日本語を教えられますか?できないはずです。私は絶対にできません。なぜ出来ないか、相手の生徒を初級、中級、上級の三つに分けてそれぞれ検証してみましょう。
A 生徒が初級者の場合
生徒はまったく日本語を知りません。このような状況で一体どうやって説明できるのでしょうか。例えば、「花」を指して「はな」とやれば、生徒はそれを日本語では「はな」と呼ぶんだなとわかるでしょう。このようにして、簡単な単語を教えることは出来ても、例えば「おはよう」が朝の挨拶であることをどうやって相手に伝えるのでしょうか。一緒に住んでいるのなら相手も気づくでしょう。しかし、通常授業が行われる教室ではこれは出来ません。あいさつすら説明できない、教えられない状況では簡単な文(例えば、私は2年前車を買いました)ですら教えるのは不可能でしょう。想像してみて下さい。このような状況で日本語を教えることが出来るかどうか。私も想像してみましたが諦めました。
B 生徒が中級者の場合
この場合、話し相手にはなれます。相手はある程度日本語がわかるので、あなたの言うことをある程度は理解できますし、ある程度自分の考えを伝えることもできます。でもこれは教えているのとは違いますよね。教えるというのは「これこれこうだから、こうだ」と説明することを言うはずです。例えば「それは仕方がない」という表現を相手が知りたいとします。相手は「それは仕方がないはどう言いますか?」と日本語で質問してくるわけはありません。知らないのですから。当然フランス語で「O@AE#&IJ$」と質問してくることでしょう。意味がわかりますか?わかれば「ああ、それなら…」となりますが、あなたはフランス語を知らないのです。したがって相手の言うことを理解できず当然、教えることも出来ません。